全7政党(自民党、立憲民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党、共産党、れいわ新選組)の公約分析により、以下の8分野が共通重点政策として特定されました。
| 政党 | 基本方針 | 主要施策 |
|---|---|---|
| 自民党 | 経済成長による税収増 | 国民1人2万円給付、賃金100万円増目標(2030年)、GDP1000兆円(2040年) |
| 立憲民主党 | 減税・給付による家計支援 | 食料品消費税0%(1年間)、食卓おうえん給付金2万円 |
| 公明党 | 生活応援減税・給付 | 所得税課税最低限160万円引き上げ、基礎控除上乗せ |
| 日本維新の会 | 社会保険料削減重視 | 現役世代の社会保険料年6万円削減、消費税8%引き下げ |
| 国民民主党 | 手取り増加政策 | ガソリン暫定税率廃止、基礎控除178万円引き上げ |
| 共産党 | 消費税減税・廃止 | 消費税5%へ減税(最終的に廃止)、最低賃金1500円 |
| れいわ新選組 | 積極財政・現金給付 | 消費税廃止、国民一律10万円給付、季節別給付金 |
| 政党 | 年金政策 | 医療・介護政策 |
|---|---|---|
| 自民党 | 全世代型社会保障推進 | 医療従事者処遇改善 |
| 立憲民主党 | 厚生年金積立金活用で基礎年金底上げ | 医療・介護従事者の処遇改善 |
| 公明党 | 現行制度の充実 | 働き方改革・処遇改善 |
| 日本維新の会 | 積立方式への移行検討 | 医療費窓口負担見直し(9割引→7割引) |
| 国民民主党 | 給料向上による年金改善 | 応能負担原則の導入 |
| 共産党 | マクロ経済スライド廃止 | 医療・介護基盤強化 |
| れいわ新選組 | 最低年金保障強化 | 後期高齢者医療制度廃止 |
| 政党 | 児童手当・子育て支援 | 教育無償化 |
|---|---|---|
| 自民党 | 児童手当拡充(高校生まで、第3子3万円増) | 多子世帯の大学無償化(2025年度) |
| 立憲民主党 | 児童手当拡充 | 大学・給食無償化 |
| 公明党 | 子育て応援トータルプラン | 私立高校支援45.7万円(2026年度) |
| 日本維新の会 | 所得制限なしの支援 | 0歳から大学院まで完全無償化 |
| 国民民主党 | 月額1.5万円(18歳まで) | 教育国債で完全無償化 |
| 共産党 | 児童手当拡充 | 学費ゼロ社会実現 |
| れいわ新選組 | 月額3万円(高校まで) | 幼稚園から大学院まで無償化 |
| 政党 | 基本姿勢 | 防衛費・具体策 |
|---|---|---|
| 自民党 | 防衛力強化・日米同盟基軸 | 防衛3文書の着実な実施 |
| 立憲民主党 | 専守防衛の徹底 | 防衛増税回避、違憲安保法制廃止 |
| 公明党 | 平和創出外交重視 | 多国間安全保障対話推進 |
| 日本維新の会 | 積極防衛能力強化 | 防衛費GDP1%枠撤廃 |
| 国民民主党 | 自衛のための反撃力容認 | 防衛費増額賛成・増税反対 |
| 共産党 | 大軍拡反対・憲法9条堅持 | 43兆円軍拡中止、日米安保廃棄 |
| れいわ新選組 | 避戦外交・専守防衛 | 2015年安保法制廃止 |
| 政党 | 原発政策 | 再生可能エネルギー・脱炭素 |
|---|---|---|
| 自民党 | 安全確保前提で活用 | 2050年カーボンニュートラル |
| 立憲民主党 | 原発に依存しない社会 | 再エネ2030年50%、2050年100% |
| 公明党 | 慎重な姿勢 | 科学技術イノベーション推進 |
| 日本維新の会 | 次世代革新炉推進 | エネルギー安全保障最重視 |
| 国民民主党 | 原発最大限活用 | 3E+3Sの展開 |
| 共産党 | 原発ゼロ(2030年) | 再エネ2035年80%、2040年100% |
| れいわ新選組 | 原発完全廃止 | 10年200兆円グリーン投資 |
自民党は「強い経済」をビジョンの第一に掲げ、2030年度までに国民の平均賃金を約100万円増加、2040年までにGDP1,000兆円実現という野心的な数値目標を設定。物価高対策として国民1人当たり2万円の給付(子どもと住民税非課税世帯には追加2万円で計4万円)を実施し、マイナンバーカード活用による迅速な給付を計画。
公明党は「生活応援減税」として所得税の課税最低限を103万円から160万円に引き上げ(2025年度実施)、99%の納税者に年2~4万円の減税効果をもたらす政策を推進。さらに年収200万円以下の基礎控除を37万円恒久的に上乗せし、政府備蓄米活用で5キロ2,000円程度の低価格米流通を実現する計画。
立憲民主党は「物価高から、あなたを守り抜く」をスローガンに、食料品消費税0%(2026年4月から1年間、最大2年延長可能)を提案。これにより年間4万円の減税効果(1人当たり)を見込む。財源は政府基金の取り崩し(7.8兆円規模)、外為特会剰余金、租税特別措置見直しで確保し、赤字国債に頼らない方針。
日本維新の会は社会保険料削減を核心政策とし、国民医療費を年間最低4兆円削減することで現役世代1人当たりの社会保険料負担を年間6万円引き下げる目標を設定。実施計画は2025年6月末までに最終案を取りまとめ。消費税は8%への引き下げを提案。
国民民主党は「手取りを増やす夏」をキャッチフレーズに、基礎控除を178万円に引き上げ、ガソリン暫定税率の廃止(2025年6月まで実施)、再エネ賦課金の徴収停止による電気代負担軽減を提案。長期的には消費税率5%への引き下げを目指す。
共産党は消費税を緊急に5%に減税し最終的に廃止を公約。5%減税で平均的な勤労者世帯で年間12万円の減税効果を見込む。財源は大企業の内部留保への時限的課税(10兆円)等で確保。最低賃金を時給1,500円以上にすみやかに引き上げる。
れいわ新選組は最も積極的な財政政策を提案し、消費税の完全廃止で「平均的世帯で年間30万円の負担軽減」、国民全員に10万円の現金給付、さらに季節別インフレ対策給付金として年4回各10万円支給を公約。MMT理論に基づき新規国債発行で財源確保。
与党は現行制度の維持・改善を基本とし、自民党は「全世代型社会保障制度」の推進、公明党は現行制度の充実を図る。一方、立憲民主党は厚生年金積立金活用による基礎年金給付水準向上で与党との修正合意により法案成立済み、生涯受給額数十万~数百万円増加を見込む。
日本維新の会は抜本的改革として積立方式または最低所得保障制度への移行、第三号被保険者制度の廃止を提案。国民民主党は現役世代の給料向上による年金水準改善を重視。共産党はマクロ経済スライドなど年金削減の仕組みを廃止し、実質8.6%削減された公的年金の回復を主張。れいわ新選組は最低年金保障の強化と社会保険料負担の軽減を提案。
医療費負担について最も踏み込んだ提案をしているのは日本維新の会で、高齢者医療費窓口負担を現行の「9割引」から原則「7割引」に見直し、持続可能な水準の応能負担導入を主張。国民民主党も年齢ではなく負担能力に応じた原則2割の窓口負担、金融所得を含めた負担判断の導入を提案。
共産党とれいわ新選組は負担軽減を重視し、れいわは後期高齢者医療制度を廃止し全額国庫負担に変更することを公約。全政党が医療・介護従事者の処遇改善では一致している。
最も手厚い児童手当を提案しているのは、れいわ新選組の月額3万円(高校卒業まで)、次いで国民民主党の月額1.5万円(18歳まで)。自民党は高校生年代まで延長、所得制限撤廃、第3子以降3万円増額と段階的拡充を計画。
自民党は「こども誰でも通園制度」(2025年度制度化)、「育児時短就業給付」(2歳未満期間、時短勤務時賃金の10%支給、2025年度実施)など具体的な新制度を提案。公明党は「子育て応援トータルプラン」で妊娠・出産から社会巣立ちまでの切れ目ない支援を強調。
最も包括的な教育無償化を掲げるのは日本維新の会で0歳から大学・大学院卒業まで所得制限なき完全無償化(約5,500億円の財源)。れいわ新選組も幼稚園から大学院まで完全無償化を公約。
自民党は多子世帯(3人以上扶養)の大学無償化を2025年度開始、授業料後払い制度創設(大学院修士段階、2024年度)など段階的実施。公明党は私立高校の就学支援金上限額を年間45万7,000円に引き上げ(2026年度から)。立憲民主党は大学等高等教育と公立小中学校給食の無償化、国民民主党は年5兆円の教育国債発行による教育予算倍増を提案。
自民党は「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の着実な実施、宇宙・サイバー・電磁波等新領域での自衛隊体制強化を推進。日本維新の会は防衛費のGDP1%枠を撤廃し、「積極防衛能力」の着実な強化、領域内阻止能力の構築について積極的検討を主張。
立憲民主党は専守防衛に徹した現実的安全保障政策を掲げ、違憲安保法制の廃止、防衛増税回避を主張。共産党は最も強い反対姿勢で5年間で43兆円の大軍拡に反対、「敵基地攻撃能力」保有の撤回、日米安保条約を廃棄し日米友好条約締結を提案。れいわ新選組は**「避戦」外交**を提唱し、2015年安保法制の廃止を求める。
国民民主党は中間的立場で自衛のための反撃力を認める一方、防衛費増額には賛成するが防衛増税には反対。公明党は平和創出ビジョンとして積極的な対話と平和外交の強化、北東アジアにおける多国間の安全保障対話・協力機構の創設を日本主導で推進することを提案。
原発推進派は自民党(安全確保前提で活用)、日本維新の会(次世代革新炉の開発・建設推進)、国民民主党(原発の最大限活用)。特に維新と国民はエネルギー安全保障を最重視する立場から積極的活用を主張。
原発反対派は立憲民主党(原子力に依存しない社会、新増設認めず)、共産党(2030年度に原発ゼロ)、れいわ新選組(原発の完全廃止、段階的廃炉)。公明党は慎重な姿勢を維持。
最も野心的な目標は共産党の2035年度までにCO2を75~80%削減、再エネで2035年度の電力比率8割、2040年度までに100%。立憲民主党は再エネ2030年50%、2050年100%目標。れいわ新選組は10年間で200兆円投資(国費年5兆円、民間資金年15兆円)という巨額投資計画を提示。
自民党は2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス46%削減という政府目標を堅持。日本維新の会はS+3Eからエネルギー安全保障最重視への転換、国民民主党は従来の「3E+S」に「持続性」と「社会」を加えた**「3E+3S」**を提唱。
自民党と公明党はマイナンバーカード活用による行政DXを推進。自民党は給付金支給での活用、公明党は政策立案プロセスでの「We connect」アンケート活用など、デジタル技術の積極的活用を図る。
日本維新の会は生成AIを活用した生産性向上、中央デジタル通貨(CBDC)の研究開発推進など先進的な提案。国民民主党もAI、半導体、Web3等の成長分野への投資減税を提案。
一方、れいわ新選組はマイナ保険証反対、デジタル監視社会化の防止を主張し、個人情報保護を重視。共産党も同様にプライバシー保護の観点から慎重姿勢。
自民党の目玉政策は**「企業城下町構想」で全国100カ所展開による地域活性化。公明党は自治体の自由度が高い交付金2,000億円**(2024年度比2倍)確保を提案。
日本維新の会は統治機構改革と一体で中央集権から地方分権体制への移行、道州制または地方自治法特別法による広域行政を提案。さらに首都・副首都法制定による大阪・関西の首都機能バックアップ拠点化という独自政策を掲げる。
国民民主党は国と自治体の歳入比率5:5の実現、地方創生臨時交付金の増額を提案。れいわ新選組は地方分散型国土計画として生産拠点の地方分散、防災事業での地元雇用・企業活用を重視。
政治資金改革で最も徹底的な提案は共産党で企業・団体献金の全面禁止、政治資金パーティーの全面禁止、政党助成金の廃止。れいわ新選組も企業団体献金の禁止、政策活動費の禁止を主張。
日本維新の会は「身を切る改革」として国会議員の議員報酬・議員定数3割カット(実現まで歳費2割の自主カット継続)を提案。立憲民主党は「政権交代こそ最大の政治改革」として金権政治刷新を主張。
2025年参議院選挙では、物価高対策として即効性のある給付・減税(与党・国民民主)か構造的な税制改革(立憲・共産・れいわ)か、社会保障では現行制度の改善(与党)か抜本的改革(維新)か、防衛では防衛力強化(自民・維新・国民)か専守防衛堅持(立憲・共産・れいわ)か、エネルギーでは原発活用(自民・維新・国民)か脱原発(立憲・共産・れいわ)かという明確な対立軸が存在する。
有権者は各政策分野における各党の具体的提案と実現可能性、財源の裏付け、そして日本の将来像についての各党のビジョンを総合的に判断して投票することが求められている。