第1巻で制度の基本を学んだあなたは、今度は「どうやって地域に定期巡回を広めるか」という実践的な課題に直面します。
この巻で学べること:
重要な心構え: 定期巡回の営業は「セールス(売り込み)」ではありません。**「営業(情報提供と課題解決)」**です。全国33,000か所の訪問介護事業所に対し、定期巡回はわずか1,300か所。つまり多くのケアマネが「知らない」のは当然なのです。
定期巡回の成功は徹底的な地域調査から始まります。これは「足で稼ぐ」古典的だが確実な手法です。
地域調査で把握すべき3段階:
調査対象の優先順位:
調査項目:
明石市の例: 明石市は東西に長い地形で、端から端まで車で1時間。こういう地域では、エリアごとに影響力のある「地域のドン」を見つけることが重要です。
中央部の稲吉さんの例: 長年ケアマネをやっている地域で影響力のある人物。この人に受け入れられることで口コミが自然に広がる効果が期待できます。
居宅介護支援事業所数による分析:
事業所数=地域の高齢者ニーズの大きさです。多い地域ほど高齢化率も高く、サービス需要も大きいと判断できます。
重要な認識転換: 真の競合は「他の定期巡回事業所」ではなく、**「訪問介護」と「訪問看護」**です。
競合の存在はプラス:
重要なのは差別化: 競合を恐れるのではなく、自社の差別化要因を明確にすることです。
効果的な営業には**「定期巡回最強とは思ってない」**というバランスの取れた姿勢が重要です。
正しい営業姿勢:
この姿勢がなぜ重要か:
❌ セールス(売り込み):
⭕ 営業(課題解決):
3段階のYesを取る:
その後に本題へ移行することで、受け入れやすい心理状態を作ります。
6-7割は見た目で決まる:
❌ 間違った対応: 「月○回訪問します」と具体的回数を即答
⭕ 正しい対応: 「どんな場面で困ってらっしゃいますか?」 →ニーズを聞いてから 「それでしたら○回くらいは必要ですね。でも定期巡回は回数制限がないので、状況に応じて柔軟に対応できます」
解消例: 「生活援助もバリバリ対応しています。例えば朝に洗濯機を回して、昼に干して、夕方に取り込むという分割支援も可能です」
具体例を示すことがポイント:
明確な否定: 「それは小規模多機能の話ですね。定期巡回はケアマネは変わりません。むしろケアマネさんの負担軽減になります」
支給限度額での説明: 「要介護3の場合、支給限度額27,048単位のうち定期巡回は16,140単位。残り10,908単位でデイサービスやショートステイも十分利用できます」
❌ ダメな例: 「定期巡回を知らないんですか?」 「なぜ使わないんですか?」
⭕ 良い例: 「定期巡回って聞いたことありますか?」 「もしよろしければ、ちょっとだけ説明させていただけますか?」
ケアマネの専門性を認める:
目標:
内容:
目標:
内容:
目標:
実績配布は単なる報告業務ではありません。利用者中心の専門的な協働関係を構築する重要な営業活動です。
実際の例:
なぜ効果的か:
栄養管理の相談例:
駒井: 「食事量が上がらないから、バランスのゼリーとか出てたんだけど」 ケアマネ: 「ナースはガラスのドリンク剤の評価に在庫があるから、試してみて」 駒井: 「一回試してみようって言ってきた」
このやり取りのポイント:
終了例の説明: 「もうつむぎさんとは終わりになるよ。サービス付き高齢者向け住宅に入ったら、そこには平日の訪問介護員がいるじゃないですか。多分基本そこを使うことになりますからね」
この対応が示すこと:
情報提供の例: 「ヤクルトがそういう施設入所の斡旋してるの。ヤクルトが入ってるんですよね」 「そこ僕、社長知り合いですよ」
効果:
状況:
初期の困難:
段階的な関係構築プロセス:
支援の拡大と最期までの関わり:
この事例の価値: 「定期巡回しかできなかったであろう事例」として、他のサービスでは対応不可能だった困難事例への継続的関わりを示しています。
問題の発見: 血圧が下がらず、薬を飲んでいると本人は主張していたが、実際には朝食を摂らずに服薬し、嘔吐経験から服薬拒否していた。
解決プロセス:
定期巡回ならではのポイント:
実際のデータ: 「400名の中で外国人が本当にやってサービスを中止した方が2人」 つまり398名が受け入れ=99.5%の成功率
ケアマネからの実際の評価: 「片言で喋るあちらの方たちが、大久保さんはすごくいいみたいで、こっちも片言だからって、また片言同士でのうのうとかイエスとかそんな感じで会話してました」
この事例のポイント: 言語の壁を超えた人間的なコミュニケーションの可能性を示しています。
具体的な数値データを示す: 「最初は結構、ご本人とか家族も心配される方が多いんですけど、今まで正直、400名ぐらい、この2年半で見てきたんですけど、400名の中で外国人が本当にやってサービスを止めた方が2人。それ以外の方は意外と実は受け入れてくれるタイミングはどこかであって」
説得力のポイント:
経済的背景: 「向こうだと月収数万円とかっていうレベルなんで」
将来への夢: 「ベトナムって介護保険がないんで、自費の世界なんですよ。介護保険ができたときには、この日本の介護保険を持って帰りたいなっていう子たちもいるんで、遠くの目的・夢のために生きてる子たちもいるんで頑張ってくれてます」
営業での活用:
定期巡回のニーズは地域を問わず存在します。重要なのはどこから始めるかです。
事業所数による判断: 地域内の「訪問介護」「訪問看護」「居宅介護支援」の事業所数=在宅介護ニーズの大きさ
普及状況による営業難易度:
探すべき人物:
関係構築の方法:
効率的な稼働人数: 利用者30名以上を1拠点で確保することで、訪問効率が飛躍的に向上
拡大の判断基準:
ICタグによる位置把握: 職員のリアルタイム位置把握が可能
ペーパレス運営: スマケア+LINEワークスでの情報共有
効率化のポイント:
正しい使い方の啓発:
肥大化防止の方法:
営業活動の基本原則は**「回数とタイミングと継続性」**です。
何度も顔を出すこと:
相手が受け入れやすいタイミング:
長期的な関係構築:
今日は黄色パターン、次は白パターン: 一回の訪問で全てを解決しようとせず、複数回に分けて段階的にアプローチ
相手の心理状態への配慮: 「奥さんと喧嘩してきて、今日1日イライラした」ような状態では「聞く耳持たない」ので、適切なタイミングを見極める
使う場面: 定期巡回を全く知らない相手
トークの流れ:
使う場面: 制度は知っているが利用経験がない相手
トークの流れ:
使う場面: 具体的な困りごとを持っている相手
トークの流れ:
基本パンフレット:
事例集:
比較表:
Before→After写真:
データでの説明:
❌ ダメな対応: 「なぜ使わないんですか?」 「便利なのに使わないのはもったいない」
⭕ 良い対応: 「どんな場面で困ってらっしゃいますか?」 「夜間や早朝で対応に困ることはありませんか?」 「もしよろしければ、どんなサービスかちょっとだけ説明させていただけますか?」
具体的な比較で説明: 「要介護3の場合、月額16,140単位です。1日あたり531単位。24時間対応でこの単価は実は割安なんです」
「訪問介護で同じようなケアをしようとすると、早朝・夜間の割増もあって、むしろ高くなる場合が多いです」
支給限度額での説明: 「要介護3の支給限度額27,048単位のうち、定期巡回は16,140単位。残り10,908単位でデイサービスやショートステイも十分利用できます」
実例での説明: 「実際に、デイサービス週2回とショートステイ月3日を併用されている方もいらっしゃいます」
明確な否定: 「それは小規模多機能の話ですね。定期巡回はケアマネさんは変わりません」
むしろメリットを強調: 「24時間体制でアセスメントできるので、ケアマネさんの負担軽減になります」
効率的な記録方法:
相手の反応:
自分の対応:
関係構築度:
実際の成果:
認知度・印象・ニーズの3段階での分析が成功の鍵
セールス(売り込み)ではなく営業(課題解決)の姿勢
プライドに配慮し、専門性を尊重した継続的関係
単なる報告ではなく、協働関係構築のツール
困難事例・自立支援・外国人スタッフの具体的成果
回数・タイミング・継続性の三原則で長期的な信頼関係を構築
第3巻では、営業で獲得した利用者に対して、どう質の高いサービスを提供し、スタッフを育成するかの実践的なマネジメント手法を詳しく解説します。
主な内容:
第2巻で営業スキルを身につけたら、第3巻で現場運営の実践力を高めましょう!
事前準備: □ 相手事業所の基本情報確認 □ 地域の定期巡回事業所の把握 □ 名刺・パンフレット・事例集の準備 □ 訪問時間の調整(15-20分程度を想定)
訪問時確認事項: □ 定期巡回の認知度 □ 利用経験の有無 □ 現在困っているケース □ 地域の高齢者の特徴 □ 次回訪問のアポイント
Q: 料金はいくらですか? A: 要介護度によって月額固定です。要介護3の場合、月額16,140単位、1日あたり531単位で24時間対応いたします。
Q: 何回訪問してもらえますか? A: 回数制限はございません。利用者さんの状況に応じて柔軟に対応いたします。まずはどのような場面でお困りかお聞かせください。
Q: 夜間は対応できますか? A: 24時間365日対応しております。深夜・早朝も追加料金なしで対応いたします。
Q: 生活援助はできますか? A: もちろん対応しております。調理・掃除・洗濯・買い物など、介護保険で認められているサービスは全て提供可能です。
Q: 他のサービスと併用できますか? A: デイサービス、ショートステイ、福祉用具などとの併用が可能です。支給限度額にも余裕があることが多いです。
困難事例テンプレート:
【利用者】○代男性/女性、要介護○、○○症
【困りごと】具体的な課題
【定期巡回の対応】具体的な支援内容
【結果】改善された点
【ケアマネの評価】実際のコメント自立支援事例テンプレート:
【利用者】○代男性/女性、要介護○
【開始時の状況】ADL・IADL・認知機能
【定期巡回の支援】具体的な自立支援内容
【改善過程】段階的な変化
【現在の状況】自立度の向上
【今後の見通し】サービス調整・終了の可能性事業所基本情報:
定期巡回関連:
次回アクション:
基本的な流れ:
注意点:
第2巻では、定期巡回サービスの営業活動について、実践的なノウハウを詳しく解説しました。
重要なのは以下の3点です:
営業活動は地域の高齢者により良いサービスを届けるための重要な社会貢献活動です。第1巻で学んだ制度理解と、第2巻で身につけた営業スキルを活かし、地域に定期巡回サービスを広めていきましょう。
そして第3巻では、獲得した利用者に質の高いサービスを提供するための現場マネジメントスキルを学んでいきます。
このマニュアルの内容について質問があれば、いつでも上司や先輩に相談してください。また、実際の営業活動で困ったことがあれば、このマニュアルを参考に、柔軟に対応していきましょう。